感想倉庫

観たものの感想などを。

Maria 三鷹市芸術文化センター 星のホール

牡丹茶房

『Maria』作·演出 烏丸棗

欲しかった人生、望まなかった結末。普通に生きるなんて嫌で、大多数に埋もれるのなんか嫌で、唯一の人間になりたくて。
そんなこともう言ってる場合じゃない歳になってきたけど、こんな考え思春期みたいで馬鹿げてるってわかってるけど、
今更引き返すのなんて情けなくて。
ふと顔を上げたら世界は夜に沈んでいて、随分視界は狭くなり、歩く道は今にも崩れ落ちそうだと気が付いた。
私の業は、私に還る。ねえマリア、私、どうすれば良かったの?

 

 

 

心臓を抉られた。気がした。

心を燈を灯そう と一人で必死に楽しい事を考えながら帰りました。

そうしないと この作品の鋭さで寝込んでしまいそうでした。決して比喩ではなく本当にそうなりそうだった。

 

烏丸先生の作品はこちらがはじめましてだったのですが、なんてもん書くんだこの人 って恨めしさが募り、団体名と先生のお名前を覚えました。

 

沈ゆうこさんの破壊的な演技と奥野亮子さんのか細く繊細な存在が

豪雨の中、月の周りだけが雲も無く光を地上へ届けているようでした。

赤猫座さんの佇まいがとても自然で それが更に沈さんの黒い感情を際立たせていた。

舞台美術も洗練されていて、皆さんのお芝居と相性もよかった。

 

面白くて素晴らしかった、というと安く聞こえてしまいそうですが

これ以上 上手く言えない。語彙力無くてごめんなさい。

とてもしんどかったけど面白かった。

今後もお芝居に関わり続ける限り、恐らく忘れる事はないであろう素敵な作品でした。

 

 

 

 

三鷹市に訪れる機会が少なく、あとから調べたら行ってみたい所がいくつかあった。

どうせならもっと三鷹の街を探訪できる予定を組めばよかった...くっ...あ、余談です。